役割が決まって間もない頃、マーリンが正式にブリドリントンへ配達に出ることになった。
マーリンはとてもウキウキしていた。彼は冒険が大好きだった。でも、マーリンはまだ本島の反対側にあるブリドリントンへの行き先を知らない。
そこで、ハリケーンが先陣を切って鉄の貨車を運びながら、マーリンを案内することになった。そうすれば、マーリンは迷子にならなくて済むからだ。
フランキーは自分が配達に行けないことを悲しんだ。でも、忙しい製鋼所の中で、ここはリーダーとしてセオとレキシーの面倒を見ながら、きっちりとけじめを付けなければならない。
「心配ないさ。俺が すぐに マーリンに道を覚えさせるから」
「ああ。私が自立するのも そう遠くないだろう」
フランキーを慰めるハリケーンに続いて、マーリンが自信たっぷりに言った。
「幸運を祈るぜぇ、友よ!」
「迷子にならないでね。いつだってキミは 目移りするんだから」
と、レキシーがいつもと違った口調で応援し、セオが心配そうに忠告した。
「大丈夫さ。すぐに"ブリリデントン"までの道を覚えてみせるさ。私達は なんでも出来る!」
マーリンは自信たっぷりにハリケーンの貨車の後ろに着いていった。彼に景色を覚えてもらうため、連結はしなかった。
間もなく、ハリケーン達は運河を通りかかった。
そこではヘンリーがいた。積荷を下ろす最中、ベレスフォードと愉快におしゃべりをしていた。
「おはよう、ハリケーン。それに マーリンも。配達 ご苦労様」
「やあ、なんだか 元気そうだな」
「ソドー島に 特別ゲストが やってくるんだ。その後 お客さんを 僕が運ぶ事になったのさ」
「それで、その特別ゲストって どんな奴なんだ」
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