シーズン12
「イザベラにネッド。あなたたちも、それが終わったら、行っていいわよ」 建設現場の仲間たちにそう告げたのはジェニーさんだった。 それを聞いていたアルフィーは首を傾げた。 「行くって、どこに行くんだろう」 そんな彼にイザベラが答えた。 「もちろんス…
チャーリーは、紫色の小さなタンク機関車だ。彼は何より楽しいことが大好きで、みんなに競争を持ちかけたり、冗談を言っては笑わせるのが趣味だった。 「おはよう、冗談を聞いてよ。挨拶に答えてくれる石って 知ってるかい」 彼は、眠そうに水を補給している…
アールズバーグにもクリスマス・イブで駅と操車場が賑わっていた。飾り付けはまだだったが、機関車たちは幸せな気分で暖かい機関庫で休んでいる。 でも、たった一台、幸せじゃない機関車が居た。 「ほら、さっさと動けよ」 ガシャンと乱暴に音を立てたのは、…
「明日は 大雪だよ。準備は 出来てるかい」 駅に戻る途中で、信号待ちの合間にエドワードがトーマスに言った。 「準備って、何の」と、トーマスが訊き返す。 「雪かきだよ。君は 確か 雪かきを付けるのが 嫌いだったよね」 エドワードが不安そうにこう言うと…
ソドー島に冬がやってきた。雪が積もれば、カレドニア出身の双子の機関車ドナルドとダグラスの出番だ。 しかし、雪はそれほど積もらなかったので、機関車たちは安心した。だが、別の問題が起きていた。あまりの寒さにより線路が凍りついており、車輪がつるつ…
ある朝、スティーブンは、お城のパーティーの為に料理に使う材料を集めに港へ向かっていた。ソドー島は木の葉が散る季節を迎えていて、ちょうどゆうべ、嵐があったばかりで、風に吹き飛ばされた葉っぱが濡れた線路に張り付いている。 そんな日でも意気揚々と…
その日はよく晴れ渡り、花々が咲き乱れ、辺りは甘くて良い香りが漂っていた。サムソンは重要な荷物を届ける為に、本土のバロー駅で貨車を受け取った。 「このワイヤーロープと 機材を、ソドー島のブルーマウンテンに 運んでくれ。巻き上げ機に 使うらしいん…
それは、特殊消防車のフリンが島に来て間もない日の事だ。その朝、ティッドマス機関庫にフリンがやってきた。隣の車庫で発生した火を消し止めるためだ。 だが、車庫の前には貨車が乱雑に置かれているせいでフリンは直接その線路に行くことが出来なかった。そ…
ソドー島には機関車の何倍もの、沢山の貨車がいる。 大きな積荷を多く運ぶためには必要不可欠な存在だが、制御できないほど悪戯好きの貨車もいれば、優しくて真面目に働く貨車もいる。 島では特に、古くて厄介な貨車のおかげで事故を起こすことも多いが、も…
その日、ゴードンは快調に急行列車を牽いて飛ばしていた。風を切り裂く青いボディはまるで春を伝えに来る季節の変わり目のようだ。 「いいぞ、順調だ! 今日こそは 最高記録を 叩き出してやる」と、彼は強く意気込む。 しかし、目の前の信号が赤に変わり、ゴ…
タンク機関車のトーマスには、好きな物がたくさんある。 自分が担う支線や、自身の青いボディ、トップハム・ハット卿に信頼される事、それから自分に手を振ってくれる子供たち。 だけども、好きなものがあれば当然嫌いなものもある。それは他の機関車も人間…