Z-KEN's P&TI Studios

プラレールとトラックマスターを用いた某きかんしゃの二次創作置き場

P&TI Ex-26 ネルソンとまいごのバーティー(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20201209163806j:plain

「イザベラにネッド。あなたたちも、それが終わったら、行っていいわよ」

建設現場の仲間たちにそう告げたのはジェニーさんだった。

それを聞いていたアルフィーは首を傾げた。

「行くって、どこに行くんだろう」

そんな彼にイザベラが答えた。

「もちろんスチーム・フェアさ。今年も、ささやきの森広場で 開催されるんだ」

「後からネルソンたちも行くんだよな」

と、ケリー。

でも、ネルソンは複雑な表情を浮かべた。

「うん。でも、正直 行きたくないな。恥をかくもの。僕の役目は バスターに引っ張られて終わりさ」

「そうかい。俺は 好きだな。今年も勝つぞって やる気が出るし、楽しいじゃないか」

と、荷台からテレンスも言う。

スチーム・フェアでは、蒸気機関の車と内燃機関の車が、綱引きをする催しがあった。

けれども、蒸気機関が主役のお祭りでは、内燃機関のネルソンにとっては引き立て役でしかなく、彼はそれが嫌だったのだ。

 

f:id:zeluigi_k:20210103214359j:plain

 時を同じくして、ナップフォード駅では、トーマスとロージーが楽しそうにおしゃべりをしていた。するとそこへ、ヘンリーが横槍を入れた。

「なんだあ、揃ってニヤニヤして、気持ち悪い」

「だって 今日のスチーム・フェアは 特別なんだよ。いろんな機関車と車が 各地から広場に集まるんだ。これからお客さんとブラスバンドを会場へ運ぶのが 楽しみだなあ」

「そして 私はトレバーたちを運ぶの。いろんな お披露目をするのよ」

続きを読む

P&TI Ex-25 おおそうじはだいこんらん(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20201209163812j:plain

 今日はソドー島の大掃除の日だ。島の人々が一斉に掃除や不用品を片付けるので、ゴミ袋やガラクタが道端やあちこちの駅に積み重ねられている。

それを、タンク機関車のウィフとスクラフや、ダンプカーのマックスとモンティをはじめ、産業用の機関車たちが、忙しそうにゴミとスクラップを集めてまわっていた。

 

f:id:zeluigi_k:20201209201853j:plain

 その日、双子のディーゼル機関車スプラッターとドッヂは、ソドー島のセメント工場で働いていた。ファーガスが彼らの監督として取り仕切っている。

「ゴミの集積場で、トップハム・ハット卿が 君たちを お呼びだ。いいかい、ここで学んだ通り、他の場所でも しっかり きちんとやるんだぞ。身勝手な行動は…」

「元気ですね!」

「厳禁でしょ」

「ああ、そうだった」

続きを読む

P&TI Ex-24 キャロラインのだいピンチ(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20200810002433j:plain

 踏切でトラックの運転手とダックの乗組員たちが揉めている。どうしたのだろう。

「妙な言いがかりは よせ。ぶつかってきたのはそっちだろう」

「冗談じゃない。僕たちは ぶつかってなんかいない。君の車が勝手に転けたんだ」

どうやら、踏切で事故を起こして、どちらが悪いかで言い争いになったようだった。

彼らは救援に来たブッチや、駆けつけたトップハム・ハット卿にも問い詰めたが、すぐに警察がやってきて騒ぎを止められた。

 

f:id:zeluigi_k:20201213192252j:plain

 次の朝、ダックは他の機関車たちにからかわれていた。

警察の捜査と目撃者の証言によって彼の疑いは晴れたのだが、大型の機関車、特にゴードンはお構いなしだ。

「トラックに ぶつかるとはなあ。みっともないったら ありゃしない」

「あれは事故だよ。ぶつかってない。トラックが割り込んできたから、急ブレーキをかけて止まっただけだ。それで貨車が脱線したんだ」

「どうだか。まあ、俺様は そんな事故、起こさないね。俺様が汽笛と大声をあげれば 邪魔な奴らは どいていくし、とっさに止まれる。なんたって強くて優秀な機関車だからな。お前にゃできない芸当だ。わかったら俺様の客車を持ってこい」

そう言うと、ゴードンは「ポッポッポー」と、偉そうに汽笛を鳴らして操車場を後にした。

続きを読む

P&TI Ex-23 かえってきたバルストロード(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20200809145955j:plain

 それは、ある夏の終わりの忙しい時期のことだった。機関車たちが列車を牽いて本線や支線を行ったり来たりしている下で、ナップフォードの港は貨車や積荷でごった返していた。

支線の周辺で採れた石材、牛乳、果物の貨車で溢れている。それをパーシーが発注分を来る日も来る日も全部運んできたのだが、本土行きの船がなかなか来ないので、貨車を入れ替えておく必要があった。

そこで、ダックが手伝いに呼ばれたが、船は一向に来なかった。

「機関士が言うには、貨物船が故障で動けないんだって。他の港でも同じようなことが起きてるみたいだ」

と、ダック。

「ええー、困るなあ。混乱と遅れで あちこちの港が、貨車でパンパンになっちゃうよ」

 

f:id:zeluigi_k:20200809144038j:plain

状況を見た港の管理人は、トップハム・ハット卿や他の役員と相談して、港に行く貨物列車の運行をストップさせる事にした。この為、ダックは一旦自分の支線での仕事を任された

「これから支線に行くんだけど、僕の客車達の調子が悪いんだ。彼女を借りてもいいかな」

彼は、港の隅で作業員の小屋に使われている、オールド・スロー・コーチを見て言った。

続きを読む

P&TI Ex-22 チャーリーとトビー(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20200603182149j:plain

 チャーリーは、紫色の小さなタンク機関車だ。彼は何より楽しいことが大好きで、みんなに競争を持ちかけたり、冗談を言っては笑わせるのが趣味だった。

「おはよう、冗談を聞いてよ。挨拶に答えてくれる石って 知ってるかい」

彼は、眠そうに水を補給しているゴードンに言った。ゴードンが答えを渋っていると、彼はすかさず答えを出した。

「ストーンが返事、ストーンヘンジ

全ての仲間がそうではないが、チャーリーの動向には思わず笑ってしまうことが多かった。ゴードンでさえ、噴き出している。

 

f:id:zeluigi_k:20200804193405j:plain

 一方その頃、トビーは憂鬱な気持ちでナップフォードの操車場にいた。

仲良しの客車、ヘンリエッタが修理に出されることになったからだ。しばらくの間、パーシーの仕事を手伝うことになっていた。

続きを読む

P&TI Ex-21 ふたごのバッシュとダッシュ(アレンジ)

f:id:zeluigi_k:20200509005020j:plain

 バッシュとダッシュは、ソドー島から離れたミスティアイランドという小島で働く、双子のタンク機関車だ。

2台ともそっくりだが、よく見れば見分けが付けられるようになっている。2台はお互いの事をよく知っているので、お互いに何を言おうとしているか、よくわかっていた。

「おはよう、バッシュ。おはよう、ダッシュ

一緒に暮らす仲間のファーディナンドが、双子に挨拶をした。

「おはよう。おいらたち、今日から―」

「―ソドー島で 3日間 働くんだ」

と、バッシュの言葉にダッシュが続けて言った。

 

f:id:zeluigi_k:20200508221535j:plain

 バッシュとダッシュミスティアイランドを発った頃、ソドー島のブレンダム港では、ビルとベンが悪戯をしていた。

続きを読む

P&TI Ex-20 すばらしきてつどう(リメイク)

f:id:zeluigi_k:20200506000606j:plain

 よく晴れたある朝の事、トーマスはアニーとクララベルを牽いて支線を走っていた。

最初の停車駅では、バスのバーティーが彼を待っていた。話をしたくてウズウズしているようだ。

「おはよう、トーマス。ねえ、聞いたかい。それがさ…」

「やあ、トーマス」

口を挟んだのは、ヘリコプターのハロルドだった。飛行場で点検をしてもらっていた。

「特別な お客さんたちが 島に来られているそうだよ。午後には僕が、空の旅へ お連れするんだ」

「へえ。僕の列車にも 乗ってくれるといいなぁ」

と、トーマスが言った。

「僕が教えるはずだったのに」

と、バーティーが、むっとして言った。

 

f:id:zeluigi_k:20200505184752j:plain

 暫くして、トーマスは、別の停車駅に停まった。

駅のすぐそばで、トップハム・ハット卿とノランビー伯爵が、何人かの人たちと、何やら話をしていた。

「ねえ。あの人たちは、誰かな」

トーマスがパーシーに尋ねた。

「わからないよ。でも きっと 偉い人さ。彼らと 話が出来るんだもん」

続きを読む