「イザベラにネッド。あなたたちも、それが終わったら、行っていいわよ」
建設現場の仲間たちにそう告げたのはジェニーさんだった。
それを聞いていたアルフィーは首を傾げた。
「行くって、どこに行くんだろう」
そんな彼にイザベラが答えた。
「もちろんスチーム・フェアさ。今年も、ささやきの森広場で 開催されるんだ」
「後からネルソンたちも行くんだよな」
と、ケリー。
でも、ネルソンは複雑な表情を浮かべた。
「うん。でも、正直 行きたくないな。恥をかくもの。僕の役目は バスターに引っ張られて終わりさ」
「そうかい。俺は 好きだな。今年も勝つぞって やる気が出るし、楽しいじゃないか」
と、荷台からテレンスも言う。
スチーム・フェアでは、蒸気機関の車と内燃機関の車が、綱引きをする催しがあった。
けれども、蒸気機関が主役のお祭りでは、内燃機関のネルソンにとっては引き立て役でしかなく、彼はそれが嫌だったのだ。
時を同じくして、ナップフォード駅では、トーマスとロージーが楽しそうにおしゃべりをしていた。するとそこへ、ヘンリーが横槍を入れた。
「なんだあ、揃ってニヤニヤして、気持ち悪い」
「だって 今日のスチーム・フェアは 特別なんだよ。いろんな機関車と車が 各地から広場に集まるんだ。これからお客さんとブラスバンドを会場へ運ぶのが 楽しみだなあ」
「そして 私はトレバーたちを運ぶの。いろんな お披露目をするのよ」
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