Z-KEN's P&TI Studios

プラレールとトラックマスターを用いた某きかんしゃの二次創作置き場

P&TI S13 スタフォードのだいかつやく


 スタフォードは、島で唯一の蓄電池機関車だ。
燃料は内蔵された電池を充電すること。電気機関車なので、石炭も水も、ディーゼルオイルも必要ない。一度の充電で最大6時間も走行することができる。
とても静かに走るので、島中の農夫たちのお気に入りだった。



 ある朝、スタフォードは平台貨車を受け取る為ブレンダムの港に来ていた。そこでジェームスに会った。彼は警笛を鳴らして挨拶をする。
「やあ、ジェームス。おはよう!」
「うわあ! もう、スタフォード。君は 静かだから いきなり声を かけられたら びっくりするよ」
「ごめん ごめん。走ってきたのに 気付かなかった?」
「ああ、そうとも。大体 君は トビーみたいに 薄汚いくせに チヤホヤされすぎだ。のろまで 人を 待たせてばかりいるのに、どうして そう トップハム・ハット卿に信用されてるのか 理解できないよ」
彼はつんと下唇を持ち上げながら走り去っていった。
それを見ていたポーターは浮かなそうなスタフォードを慰めた。
「気にすることないさ。ジェームスは ただ やきもちを やいてるのさ」
「わかってるよ ポーター。僕は 全然気にしてなんか いないよ」
だけども、自分の欠点ばかり貶されたのは少しショックだった。



ジェームスが駅構内に到着すると、ちょうどトップハム・ハット卿がやってきた。
彼は嫌な予感を察知した。
「もしかして、また 貨車を 牽かせるんじゃないでしょうね?」
「その通りだ、ジェームス。ノーマンが故障で動けなくなった。すまないが 代わりに 君が 炭鉱に行って、石炭の積んだ貨車を 10両ほど 運んでくれたまえ」
「でも、それじゃあ 僕の 真っ赤なボディが もっと 汚れちゃいます。客車の仕事なら、喜んで やりますよ」
「選り好みを するんじゃない。仕事が終わったら ボディを洗ってあげるから 安心しなさい」



 一方、スタフォードは、まだ港にいた。空きの貨車が手配されるまで、入れ替え作業を手伝っていたのだ。ポーターが再び気さくに声をかけた。
「まだ ジェームスのことが 気になる?」
「え。いや、そんなことは ないよ。でも、ちょっと ショックだったね」
「ジェームスは 他を 見る目が ないのさ。君は 環境に 優しい機関車だ。石炭も オイルも 架線なんかも いらないし、僕らと違って 匂いや 排出物も 出さないんだから。それって、すごく 重要なことだよ」
「そうかな?」
「そうさ。架線が無いところも、僕らが 長く入ることのできない海底トンネルだって、君なら 楽に進めるだろう? さあ、行っておいで」
こう言われて、スタフォードは少し元気が出た。平台貨車を何台か受け取ると、レスキューセンターを目指して出発した。



レスキューセンターに着くと、彼は一旦操車場に入った。とても深い海底トンネルを長時間くぐるので、電池をフル回復させるため充電するのだ。
作業員がプラグを差し込む。充電している間スタフォードは、ポーターの言ったことをずっと思い返していた。



 その頃、ジェームスは本土の炭鉱にたどり着いたところだった。
双子のディーゼル機関車スプラッターとドッヂもそこにいたので、ジェームスはさらに機嫌が悪くなった。双子もジェームスを見て機嫌を悪くした。
「とっとと 石炭の貨車を集めて 用意しろ。僕は すぐにでも こんなところから おさらばしたいんだ」
「言われる前から やっとりますよ」と、スプラッター



 しばらくして、石炭の貨車の準備が整った。
「よーし、これで ここも 見納めだ」
ところが、炭鉱夫は出発しようとするジェームスを止めた。
「この貨車は スプラッターとドッヂが 運ぶための物だ。君は 残って 次の貨車を 待ってくれ」
「なんですって」
スプラッターとドッヂがにやにやしながら石炭の貨車を牽いて出ていくと、炭鉱はジェームスとたくさん並んだ空の貨車だけになってしまった。
残ったジェームスは苛立ちを隠せない。一刻も早くここから出たくてしょうがないのだ。
彼はドスンと貨車に当たり散らした。すると貨車達はジェームスに突き飛ばされ、炭鉱の奥へ奥へと入り込んでしまった。
「大変だ」



幸い、脱線することはなかったものの、貨車たちはジェームスの手の届かない場所まで追いやられている。
ジェームスはすぐに貨車を追いかけようとしたがまたしても炭鉱夫達に止められた。
蒸気機関車なんかが入ったら 引火する危険性がある。手押し車か 何かは ないか?」
「だめです、炭鉱の手押し車は 先日 サムソンが 誤って 処分してしまったようで…」



 トップハム・ハット卿がナップフォード駅のオフィスでくつろいでいると、電話がかかってきた。炭鉱の親方からだ。
「―わかりました。すぐに スタフォードに 向かわせます」
彼は車に乗り込むと、急いで海底トンネルへ向かった。
スタフォードがトンネルへ入ろうとした時、線路に赤旗があるのが見え、彼は停車した。
「炭鉱の中に貨車が 立ち往生した。すぐに 救出に 向かってくれたまえ」



スタフォードを待っている間、炭鉱夫たちはせっせと奥で立ち往生している貨車に石炭を詰め込んでいた。
ジェームスは後悔もしていたが、同時にイライラしていた。
充電を終えてスタフォードが炭鉱に到着した頃にはすっかり夕暮れ時だった。



そんなジェームスを横目に置いて、スタフォードは炭鉱の中へはいっていく。
2つのランプを点灯させ、奥で立ち往生している貨車たちを見つけ出した。
「あったぞ!」



貨車に石炭がいっぱいに積み込まれると、スタフォードが石炭の貨車と共に立坑から出てきた。ポーターの言った通り、蒸気機関車や他の電気機関車にはできないことを彼は成し遂げたのだ。
ついでに彼は、ぱぱっと入換えをして、ジェームスが運ぶ貨車の列につないだ。



ジェームスは、面目丸つぶれだった。
彼は恥ずかしくなり、スタフォードだけに聞こえるよう小声で謝ると、石炭の入った大量の貨車を牽いて走って行った。
スタフォードは蒸気も出さなければ架線も必要ない、島中で他にはない特別な役に立つ蓄電池機関車であることを改めて証明したのだった。

 


おしまい

 

 

【物語の出演者】

●ジェームス

●ポーター

スプラッター

●トップハム・ハット卿

●親方

●鉱夫 

●ドッヂ(not speak)

●パーシー(cameo)

●ダック(cameo)

●ネビル(cameo)

●スタンリー(cameo)

●チャーリー(cameo)

ディーゼル(cameo)

●パクストン(cameo)

●ロッキー(cameo)

●クランキー(cameo)

●トビー(mentioned)

●サムソン(mentioned)

●ノーマン(mentioned)

 

脚本: ぜるけん

※このお話は、2014年に投稿した記事を再編集した物です。

P&TI S13 グレート・ウェスタンりゅう


 ある日、ダックが客車を牽いて自分の支線を走っていると、駅でハット卿がいることに気付いた。
ちょうど停車駅だったので、彼と話をすることができた。
「おはようございます、トップハム・ハット卿」
「やあ ダック。待っていたよ。君に とても特別な仕事を 任せようと思っているんだ」
それを聞いて、ダックはワクワクした。
「実は 3日後に、本土から キング・エドワード1世の 特別列車が 訪問することになった。アールズバーグ・ウエストで イベントを開くんだよ。そこで君に、彼が ティッドマスまで来たら、彼の先導をとって 走ってもらいたいんだ」
「わあ、ありがとうございます。グレート・ウエスタン鉄道の仲間を、お出迎えするなんて 感激です!」
彼は嬉しくてたまらなかった。



 その日の午後、オリバーは、ダックと重連で貨物列車を引っ張ることになった。ダックは誰かと喜びを分かち合いたくてウズウズしていた。
「ねえオリバー、僕が トップハム・ハット卿に どれだけ信頼されてるか わかるかい。僕はね―」
「ふーん、そうかい」
彼には、それがただの自慢にしか聞こえなかった。



 次の日、アールズバーグ線の機関車たちは、イベントの準備に取り掛かった。しかし、イベント関連の仕事はダックが全て持って行ってしまい、残ったオリバーは貨車の入れ替えを任された。
「どうして僕だけ いつものように 貨車の入れ替えをしなくちゃならないんだ」
「お気持ちは お察ししますが、貨車の入れ替えも 大切な仕事ですよ。散らかったままでは、キング・エドワード1世に 失礼ですから」
「わかってるさ、トード。でも、僕だって イベント関連の仕事が したいんだよ」
彼が給水して休んでいると、そこへダックがやってきた。
「仕事には 二通りのやり方が あるのは 知ってるね。グレート・ウエスタン流と…」
「僕を ダメダメ流って 言いたいのかい? 水を補給しているだけじゃないか。まったく、もう!」
彼はそんなダックにうんざりし、大きくため息をついた。



 やがて夜になり、オリバーはティッドマス機関庫にやってきた。明日の早朝、ティッドマス駅から列車をスタートさせるため、今夜はここで夜を過ごすのだ。
機関庫にやってくるなり、オリバーは愚痴をこぼした。
「ダックときたら、近頃は実に うるさい。局長さんから 特別な仕事を もらって以来、いつも しつこく自慢ばかりするんだ」
「まったくだよ。すっかり浮かれちゃってさ。何かっていうと すぐグレート・ウエスタン流だの、ダメダメ流だの。奴は 自分が あの鉄道の栄光に縋ってるだけだよ」と、ジェームス。

「そうだそうだ。オリバーの冒険談を何百回も聞くほうがまだいいよ」と、ヘンリー。
「俺は お前の どうでもいい冒険談と 愚痴で 耳にタコができるよりは ましだがな」と、ゴードン。
「なんだと!」
「まあまあ。ダックさんは、そんなつもりはないと思いますよ。彼は ただ、あなた方に喜びを 共有したいだけかと」
「いいや、彼は 僕らより 偉いと思ってるのさ。僕だって あの鉄道で 働いていたし、きちんと仕事を こなすことくらい、わかってるのにさ…」



オリバーの不満は募るばかりだ。次の日もイベント関連の仕事をやらせてはくれなかった。それに、昨夜のゴードンの言葉が忘れられなくて、相変わらず腹を立てているのだった。
旅客列車の仕事を終えると、客車たちを終点の操車場へ置き、今度は貨物列車を牽いてナップフォードの操車場へ向かった。
途中、彼は気になるものが目に入った。なんと、線路わきでタイガー・モスが逆立ちをしているではないか。パイロットが赤旗を振っているのが見えたので、彼は停車した。
「どうされたんですか」

「宣伝中に 不調が出てね。タイガー・モスが 墜落してしまった。イベントの宣伝が できなくて困ってるんだ。悪いんだけど、南の方へ行くなら こいつを格納庫まで 運んでくれないか?」
「僕に 任せてください。全力を 尽くしますよ」
「ありがとう、オリバー。ドライオー駅まで 頼むよ」



 間もなくダックがロッキーを運んでやってきた。
「僕が 後ろに ついて 走ろうか」
「いいよ。トードもいるし、僕だけで 平気さ」
「でも、彼は 前を向いて走れないだろう。昔、ハロルドを 運んだ事が あるんだけど、その時は狭い通路を確認するため、トーマスが後ろに ついて 走ったんだ。だから 誰かが 後方確認に 後ろに ついた方が 安全だよ」
「だけど 2回も失敗しただろ、知ってるよ。 君の 煩い 自慢話を聞きながら走るのは もう ごめんだ。さあ 行こう、トード」
彼はそう言うと、ドライオー駅に向かって出発した。
自分の行いを振り返ってしょんぼりとしたダックは、オリバーの代わりに貨物列車とロッキーを牽いてナップフォードへ向かった。



 分岐点で曲がったオリバーは、間もなく跨線橋を前にした。
そこへ、鉱山へ向かうトビーがやってきた。彼はオリバーの運ぶタイガー・モスを見て息をのんだ。
「危ない! その タイガー・モスは 跨線橋の下を くぐれないよ」
オリバーは跨線橋の前で急ブレーキをかけて止まった。
「ふう。教えてくれて、ありがとう」
「後ろから 確認する機関車は いないの」
と、ヘンリエッタが言ったが、オリバーは構わず別の道を進むために後退した。



彼は分岐点に戻ると、今度はまっすぐ進んだ。
「やっぱり、誰かに 後方確認してもらった方が いいですよ」
「大丈夫。僕を信じてよ トード」
そこへ、反対側の線路からドナルドがやってきた。彼は陽気にハミングしながらスピードを出して走っていた。
「気を付けて、飛行機列車が通るよ!」
でも、ドナルドは直前まで気づかなかった。ガシャンという音を立て、ドナルドの屋根がタイガー・モスの羽に衝突した。貨車から飛び出すことはなかったが、部品が取れて線路に落ちた。
「何か飛びましたよ、オリバーさん」
幸いにも、トードの忠告が耳に入った機関士はオリバーを停車させ、機関助士が落ちた部品をとりに行った。助士が戻ると、再び出発した。



行く先々で人々が、タイガー・モスを運ぶオリバーを珍しそうに見物する。子供たちも歓声を上げると、オリバーは気分がよくなり、つい調子に乗った。
「どうだい、かっこいいだろう。手を振ってくれて、ありがとう」
注目を浴びて自惚れたオリバーは、愉快そうに陸橋をガタゴトと渡る。



だが、その楽しさも長くは続かなかった。
前方にティッド川に架かる狭い鉄橋があることを忘れていた彼は、スピードを上げて走っていた。
鉄橋が見え、急ブレーキをかけた時にはもう遅かった。鉄橋に引っかかったタイガー・モスは、貨車から転げ落ちて、川へ落下してしまった。

 すぐにダックがロッキーを運んで現場へ駆けつけた。
トップハム・ハット卿も、ウィンストンに乗ってやってきた。
「君のせいで、混乱と遅れが生じたぞ。君と 一緒にいた トードだけでなく、ダックや ヘンリエッタの忠告を ちゃんと聞かなかったそうだな」
「ごめんなさい。これからは 仲間の忠告は きちんと 聞くようにします」



 タイガー・モスを貨車に戻すと、ダックが後方確認のため後ろについた。
そのおかげで事故を起こすこともなく、速やかに目的地に到着することができた。
「本当に ごめんなさい。僕のせいで タイガー・モスが もっと ぐしゃぐしゃに…」
タイガー・モスの車体は水で濡れ、歪んでいたが、パイロットは「早いうちに着いてよかった」と喜んでいた。



 その晩、ダックとオリバーは明日に備えてティッドマス機関庫へやってきた。
「ごめんよ。君の忠告を、真面目に 聞けば よかった」
「僕の方こそ、しつこく言って ごめん。君と この喜びを 分かち合いたかっただけなんだ」
「いいんだ、君は 何も悪くない。これからは しっかりと 注意深く仕事をするよ。もちろん グレート・ウエスタン流の やり方でね!」
2台は大笑いし、仲直りをした。イベント関連の仕事をもらえなかったオリバーを気の毒に思ったダックは、お詫びに自分の役割をオリバーに譲ってあげることにした。
これで明日は2台とも笑顔でキング・エドワード1世を出迎えられるだろう。

 


おしまい

 

 

【物語の出演者】

●ヘンリー

●ゴードン

●ジェームス

●トビー

●ダック

●オリバー

ヘンリエッタ

●トード

●トップハム・ハット卿

●オリバーの機関士

●タイガー・モスの操縦士

●ドナルド(not speak)

●ウィンストン(not speak)

●ロッキー(not speak)

●オリバーの機関助士(not speak)

エドワード(cameo)

●パーシー(cameo)

●ダグラス(cameo)

ファーディナンド(cameo)

●キャロライン(cameo)

●ブッチ(cameo)

○キング・エドワード1世(mentioned)

 

脚本: ぜるけん

※このお話は、2014年に投稿した記事を再編集した物です。

P&TI Ex-14 オリバーへのプレゼント(リメイク)

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 アールズバーグにもクリスマス・イブで駅と操車場が賑わっていた。飾り付けはまだだったが、機関車たちは幸せな気分で暖かい機関庫で休んでいる。

でも、たった一台、幸せじゃない機関車が居た。

「ほら、さっさと動けよ」

ガシャンと乱暴に音を立てたのは、オリバーだった。彼は不機嫌そうに貨車の入換え作業をしている。貨車たちは彼に対して悪戯をすることは無かったが、古くて頑固な貨車ばかりで、移動には時間がかかるのだ。

 

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駅の隣にある機関庫では、仲間たちがオリバーを心配そうに見守っていた。

朝から頑張っている彼の姿を見て、ブレーキ車のトードは何かしてあげたいと思ったが、自分一人では何も行動を起こせないので、不甲斐なさを感じていた。

「クリスマスですし、オリバーさんに 何か プレゼントを あげたいのですが…」

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P&TI Ex-13 パーシーのおんみつさくせん(リメイク)

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 ソドー島は特別な日々を迎えようとしていた。

この時期になると、機関車たちの仕事はお休みが増える。何故なら、鉄道員たちもこぞって家族で過ごすからだ。

それまで、彼らはサンタへの手紙を配達したり、パーティや機関庫の飾りつけをするために、子供たちの幸せそうな笑顔を見届けながら、ガーラントやツリーを運ぶのだった。 

 

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その日、パーシーはソドー整備工場で修理を受けてもらっていた。

部品を取り換えてもらう最中、彼は工場の外でディーゼル機関車たちが集まっているのが目に入った。

「何を しているんだろう。ここじゃ ディーゼル機関車の修理は 出来ないのに」

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P&TI Ex-12 ゆきかき(アレンジ)

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「明日は 大雪だよ。準備は 出来てるかい」

駅に戻る途中で、信号待ちの合間にエドワードがトーマスに言った。

「準備って、何の」と、トーマスが訊き返す。

「雪かきだよ。君は 確か 雪かきを付けるのが 嫌いだったよね」

エドワードが不安そうにこう言うと、トーマスは笑い出した。

「ふふふ。確かに嫌いだけど、心配いらないよ」

 

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P&TI Ex-11 にげだしたしゃりん(リメイク)

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  ソドー島に冬がやってきた。雪が積もれば、カレドニア出身の双子の機関車ドナルドとダグラスの出番だ。

しかし、雪はそれほど積もらなかったので、機関車たちは安心した。だが、別の問題が起きていた。あまりの寒さにより線路が凍りついており、車輪がつるつる滑る。その為機関車たちはいつもより気を付けて走る必要があったのだった。

 

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ディーゼル機関車たちにとって、冬は天敵だった。エンジンがかかりにくくなるのだ。特に寒波となれば正常に作動するかどうかもわからない。

ディーゼル整備工場では機関車の部品が不足していた。製鉄所で働くハリーとバートが出発できないので、部品が届かなくてデンとダートは困っていた。

「あっしが 取りに行ってくるでやんす」

痺れを切らしたダートが言った。

「いいや。俺が 何か代わりに使えそうなものを 捜しに行くよ」

と、小柄で短気なダートを落ち着かせるようにデンが止めると、渋々工場を後にした。

ダートは心配そうに彼を見送るほかなかった。

 

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 ソドー整備工場でも、ケビンが同じ問題を抱えていた。

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P&TI Extra Episodesタイトル一覧

 PToS S10 ~ P&TI S13までの過去作リメイクのサブタイトル一覧です。全26話。

 

【Overcome & the Other Sodor Adventures】

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E01 魚嫌いを克服せよ (Overcome)

 未だに魚が嫌いで克服できていないことをダックにからかわれて不機嫌なトーマスは、アニーとクララベルには内緒で自ら魚嫌いの克服に挑む。

 

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E02 ジェームスの郵便配達 (James' Mail Train)

 ある朝、ジェームスは、多忙のパーシーの代わりに支線の郵便配達を任された。自分の大きさに見合わない小さな仕事が不満な彼は、一刻も早く終わらせようと郵便物が積まれるのを待たずに出発してしまう。

 

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E03 ディーゼルとフリンの近道 (Diesel & the Flynn's Shortcut)

 ディーゼルは石切り場へ向かう途中、緊急信号で足止めを食らって遅れを取る事に。その理由は軌陸車のフリンが途中で道路を使って近道をしたことだった。ディーゼルは腑に落ちず、ついフリンにきつく当たる。

 

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E04 きちんとした機関車 (Proper Engine)

 「きちんとした機関車はタンクに放水銃を付けない」と、ゴードンに嫌味を言われたベルは、ソドー整備工場でケビンに放水銃を外してほしいとお願いする。

 

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E05 うそつきデニス (All Talk & No Action)

 怠け癖を克服するために日々努力を重ねるデニスに、ある日、ブレンダムの港で貨車の入換え作業を任される。でも、港の貨車の多さにデニスは徐々に嫌になってしまう。

 

 

【Twins Trick & Trucks Trouble】

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E06 厄介な問題児 (Trick for Truck)

 古い採石場から来た意地悪な貨車に、丘で引っ張られたり押されたり振り回されたビルとベンは、仕返しに悪戯してやろうと意気込む。

 

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E07 ジェームスとフリンの競争 (The Fastest Fire Fighter)

 それは特殊消防車のフリンが来島して間もない頃の事。火事を消し止めた功績と、どさくさに紛れて真っ赤なボディを褒められたフリンに嫉妬したジェームスは、勝った方が島で一番赤いと認める事を条件に、彼との競争に挑む。

 

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E08 双子とゴミ (Twins Covered with Rubbish)

 双子のディーゼル機関車ハリーとバートが警笛を大きく鳴らして機関車たちを脅かす際中、的ではなかったサムソンが驚いてゴミの貨車に突っ込んでしまう。その二次被害でゴミまみれになった双子のビルとベンは洗車させてもらえずイライラする。

 

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E09 線路の落ち葉 (Leaves on the Tracks)

 木々から葉が舞い落ちる、ある秋の日のソドー島。点検を受けてもらっているスペンサーだったが、特別な仕事を引き受けたくて完了を待たずに出発する。

 

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E10 ジェームスと魔法の機関車 (James & the Magic Engine)

 客車を牽く仕事を与えてもらえず、ここ数日ずっと入換えと貨物列車ばかり任されるジェームスは、仕事の途中で魔法の機関車の噂を耳にする。信じようとは思わない彼だったが…?

 

 

【Christmas Mission & Other Winter Surprises

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E11 逃げ出した車輪 (Runaway Wheel)

 車軸の修理で宙ぶらりん状態のトーマス。彼の新しい車輪を持ってきたパクストンだったが、大きなくしゃみをした為に車輪が凍てついた線路の上を転がり始める。

 

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E12 雪かき (Billy and the Snowplough)

 ソドー島に大雪が積もり、寒さに強い蒸気機関車たちは雪かきの装備を余儀なくされる。かつては雪かきを嫌っていたトーマスも素直に雪かきを付けて働きに出るが、ビリーだけは違った。

 

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E13 パーシーの隠密行動 (In Secret Mission of Christmas)

 クリスマスがやってきた。蒸気機関車たちが機関庫に飾るオーナメントを運んだり、子供たちの笑顔を見たり幸せな時間を過ごす一方、何やらディーゼル機関車たちがソドー整備工場の前で怪しげな動きをしており…

 

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E14 オリバーへのプレゼント (Surprise for Oliver)

 クリスマスにも拘らず操車場で一生懸命貨車の入換えに励むオリバーの為に、ブレーキ車のトードは何かプレゼントをしたいと提案するが、良い案が思いつかない。

 

 

【Engines Responsible】

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E15 責任重大 (Heavy Responsibility)

 不注意にもゴードンを石炭ホッパーの下敷きにさせてしまったダグラス。ドナルドは自分の責任もあると判断して、ダグラスが後片付けを行う間、一台で急行列車を引っ張ろうとする。

 

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E16 炭水車を捕まえろ (Tender Trouble)

 ウルフステッド城から貨車を牽いて丘を下っていたスティーブンは、ポイントの故障によってドローバーが外れ、自分の炭水車と離れ離れになってしまう。貨車の重みで炭水車が暴走する。

 

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E17 いじっぱりなオリバー (Obstinately Oliver)

 ノーマンが待つ終点の駅まで、たくさんの砂利の貨車を運ぶことになったオリバー。そこへディーゼルも手伝いに来るが、彼への不信感から手伝いを断って一人で何台もの貨車を引っ張ろうとする。

 

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E18 トーマスと謎の鳴き声 (Thomas and the Spooky Sound)

 とばっちりで古い鉱山送りになってしまったパーシー。彼はそこで不気味な鳴き声を聞いて機関庫へ逃げ込む。トーマスはディーゼルの仕業だと疑ってかかるが…

 

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E19 小さな救世主 (Don't Look Down on Him)

 貨物列車をの牽引中に炭水車の車輪が壊れて立ち往生してしまったマードックの代わりに、ヘンリーが列車を引き継ぐことになった。ところが、重たい列車に振り回されて丘の途中で悲鳴を上げる事に。そこへ駆けつけたのは…?

 

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E20 素晴らしき鉄道 (The Great Railways)

 ソドー島に鉄道に関するドキュメンタリー撮影をしにカメラマンたちがやってきた。その案内役を任されたトーマスとジェームスは大はしゃぎ。その裏で、ディーゼルは自分の力強さを見てもらおうと、ある計画を企てる。

 

 

【Learn with Friends】

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E21 双子のバッシュとダッシュ (Seeds of Trouble)

 バッシュとダッシュには各々に特徴があるが、どっちがどっちなのか見分けがつかない仲間もいて不本意にイライラさせてしまった双子は、あるアイディアを閃いてソドー整備工場へ向かう。

 

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E22 チャーリーとトビー (Charlie's Adventure)

 ヘンリエッタが修理中で、寂しそうなトビーのもとにやってきたチャーリー。トビーの真面目な態度に、チャーリーはつまらないと鼻を鳴らすが、むっとしたトビーは彼を面白い冒険へ連れて行く。

 

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E23 帰ってきたバルストロード (Back at the Harbour)

 ある秋の日の事、港は大混乱になっていた。貨物船はなかなか来ないし、貨物列車は港からあふれ出る一方。その時、ダックは浜辺で、ある事を閃く。

 

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E24 キャロラインの大ピンチ (Caroline Saves the Day)

 トラックに衝突してしまったダックを大笑いするゴードンだったが、次の日、急行列車を牽く彼の目の前で踏切の上で立ち往生したキャロラインが現れ…

 

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E25 大掃除は大混乱 (Clean Sodor Day)

 ソドー島の大掃除の日、ウィフとスクラフはゴミの回収で忙しい。その間、ゴミの集積場で入換え作業を任された双子のディーゼル機関車スプラッターとドッヂ。彼らは汚れないよう何とかして貨車を運ぼうとするが…

 

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E26 ネルソンと迷子のバーティー (A Vehcle Discovers New Way)

 広場でお祭りが開催される事でネルソンが憂鬱になる中、トーマスとバーティーがお客を運ぶことになり、良きライバルの2台はどちらが先に着くか競争をし始めるが、予想以上の問題に見舞われる。