Z-KEN's P&TI Studios

プラレールとトラックマスターを用いた某きかんしゃの二次創作置き場

『トーマスとくさいチーズ』再現


 ソドー島では一年中美しい景色が楽しめる。

夏は色とりどりの鳥たちが垣根に集まり、野原にはたくさんの動物たちがいて、花の香りが辺り一面に漂っているのだ。



 トーマスは給炭所にやってきた。

ディーゼルとハリーとバートと一緒に貨車の入換え作業をするためだ。

彼はディーゼルたちと働くのが嫌いだった。

ディーゼルたちも、トーマスと働くのが嫌いだった。

蒸気機関車と働くのが嫌なのはな、あいつらは 凄く 臭いからさ」

「それに トーマスは 蒸気機関車の中で 一番臭い」

3台のディーゼル機関車たちは大笑いだった。

「僕たち蒸気機関車は 臭くなんかないぞ。君たちの方が よっぽど臭いよ」

 

そこにトップハム・ハット卿がやってきた。

「トーマス、酪農場へ向かってくれたまえ。配達してほしい荷物がある」

トーマスはディーゼルたちから離れられるのが嬉しくて、喜んで酪農場へ向かった。

「チョコレート工場に クリームを運ぶのかな」


 だが、トーマスが酪農場に到着すると、貨車には臭いチーズの箱がたくさん積まれていた。

「うひゃあ、こんなに臭いチーズ 初めてだ」

トーマスが驚いていると酪農場主が声をかけた。

「船が 出港する前に 港まで運んでくれ」

トーマスは貨車を連結した。

そして、臭いチーズと一緒に港へ向かった。

「なんてことだ。遠くからでも みんな この匂いに 気付くだろうな」

 

 トーマスは途中でディーゼルを見つけた。

「困ったぞ。この匂いに 気付かれたら、僕が ソドー島で一番臭い機関車だって みんなに 言いふらされちゃう。みんなに そんな風に 思われるのは 嫌だな」

彼は急いでその場を後にした。

「トーマス、止まるんだ。そっちへ行ったら 遅くなるぞ」

信号手が叫んだ。

でも、トーマスは既にいなかった。

 

彼は郊外の線路を走った。

「これで 誰にも匂いが ばれないぞ」

今度は側線で止まっているハリーを見つけた。

「ハリーが この匂いに気付いたら どうしよう」

トーマスは素早くバックした。

 

 彼は支線に戻り、次の分岐点で左に向かった。

 

すると、そこにはバートが居たので、トーマスは右の線路へ向かった。

「どこに行っても ディーゼル機関車に会っちゃう…」

 

トーマスは後ろに行ったり前に行ったりして、島中を走り回った。

とにかく、ディーゼルとハリーとバートから離れたかったのだ。

 

 でも、問題が起きた。

「どうしよう、酪農場だ。僕は 戻ってきちゃったんだ…」

その時、ハリーがトーマスの方へ向かって走ってきた。

トーマスは慌ててバックする。

 

ところが、後ろからはバートが近づいていた。

トーマスは彼に気づかずぶつかり、臭いチーズが空に舞い上がった。

 

そしてトーマスとハリーとバートにかかってしまった。

「俺たち、臭いディーゼル機関車に なっちまった」

「しかも 一番臭い事 間違いなしだ」

ハリーとバートはすぐに洗車場に向かった。

トーマスも一緒に行きたかったが、チーズが線路の上に散らばったままだった。

「どうすれば いいんだろう」

 

機関士たちが線路を片付けていると、酪農場主がやってきた。

「まだ 運んでほしいチーズが 残っているんだ。急いでくれ。船が待ってるぞ」

 

 トーマスは新しいチーズを積んだ貨車を牽いて港に急いだ。

彼はチーズの臭い匂いに包まれていた。

「臭いなあ。でも 急がないと。絶対に 港まで届けなきゃ」

「うわあ、なんだこれ。くっさあ」

ジェームスがすれ違いざまに言った。

臭い匂いに気付かれても、トーマスは走り続けた。

 

港ではディーゼルが荷物を降ろしていた。

彼は鼻にぷんとくる、その酷い匂いに驚いた。

「臭いぞ。本当に お前は ソドー島で一番臭い機関車だな」

「トーマスが 臭いチーズを 持ってきたぞ」

港の作業員が歓声を上げた。

「よくやった、トーマス。このソドーチーズは臭いが、とても 美味しいんだ」

トップハム・ハット卿が鼻をつまみながら言った。

「しかし これは今までで一番臭いチーズだな。君は本当にくさ… 役に立つ機関車だ」

「ありがとうございます」

「さあ、もういいぞ。洗車に行っておいで」

 

その時、ハリーとバートがやってきた。

洗車が終わり、二台はピカピカになっていた。

ディーゼルに ハリーとバート。次は 君たちがチーズを運ぶんだ」

ハット卿が命令を下した。

それを聞いたディーゼルたちときたら、もう堪らない。

「なんてこった」

これにはトーマスも大喜びだった。

「気を付けて。凄く 臭いからね」


おしまい

 

【物語の出演者】
●トーマス
●ジェームス
ディーゼル
●ハリーとバート
●トップハム・ハット卿
●港の作業員
●信号手
●酪農場主
●クランキー(cameo)


~作者から~
 試験的に再現してみました。
こういった実験に対し読者の中では賛否両論になるとは思いますが、かなりリアルに"くさいチーズ"が再現できたのでとても満足しています。
もちろん、トーマス達にかかっている黄色い液状のものは本物のチーズではありません。誤解を招かないように説明しておくと、これの正体はスライムです。
J.DREAMさん開発/販売のカプセルトイ「なつかしの牛乳瓶とろとろマスコット」。
このシリーズのフルーツ牛乳を使用しました。普通のスライムより水分を多く含んでいるため写真のようにリアルに再現できました。また、トーマスの電池カバーは普段使わない汚れていいものを使用しています。


なお、一定時間スライムを付着させておくとナメクジが這ったような跡とアルコールっぽい匂いがこびり付くので、このような使用は絶対にオススメしません
お気に入りの玩具がくっさくなってしまいます。ウェットティッシュ等でしっかり拭きましょう。そしていくらスライムと云えどとても水っぽいのでスイッチの隙間等に入らないように厳重な注意を。

もう一度警告します。絶対に真似しないでください。
もし忠告を聞かずにご自身の玩具に試して故障しても、こちらは一切の責任を負いませんので悪しからず。