Z-KEN's P&TI Studios

プラレールとトラックマスターを用いた某きかんしゃの二次創作置き場

P&TI Ex-13 パーシーのおんみつさくせん(リメイク)

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 ソドー島は特別な日々を迎えようとしていた。

この時期になると、機関車たちの仕事はお休みが増える。何故なら、鉄道員たちもこぞって家族で過ごすからだ。

それまで、彼らはサンタへの手紙を配達したり、パーティや機関庫の飾りつけをするために、子供たちの幸せそうな笑顔を見届けながら、ガーラントやツリーを運ぶのだった。 

 

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その日、パーシーはソドー整備工場で修理を受けてもらっていた。

部品を取り換えてもらう最中、彼は工場の外でディーゼル機関車たちが集まっているのが目に入った。

「何を しているんだろう。ここじゃ ディーゼル機関車の修理は 出来ないのに」

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P&TI Ex-12 ゆきかき(アレンジ)

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「明日は 大雪だよ。準備は 出来てるかい」

駅に戻る途中で、信号待ちの合間にエドワードがトーマスに言った。

「準備って、何の」と、トーマスが訊き返す。

「雪かきだよ。君は 確か 雪かきを付けるのが 嫌いだったよね」

エドワードが不安そうにこう言うと、トーマスは笑い出した。

「ふふふ。確かに嫌いだけど、心配いらないよ」

 

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P&TI Ex-11 にげだしたしゃりん(リメイク)

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  ソドー島に冬がやってきた。雪が積もれば、カレドニア出身の双子の機関車ドナルドとダグラスの出番だ。

しかし、雪はそれほど積もらなかったので、機関車たちは安心した。だが、別の問題が起きていた。あまりの寒さにより線路が凍りついており、車輪がつるつる滑る。その為機関車たちはいつもより気を付けて走る必要があったのだった。

 

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ディーゼル機関車たちにとって、冬は天敵だった。エンジンがかかりにくくなるのだ。特に寒波となれば正常に作動するかどうかもわからない。

ディーゼル整備工場では機関車の部品が不足していた。製鉄所で働くハリーとバートが出発できないので、部品が届かなくてデンとダートは困っていた。

「あっしが 取りに行ってくるでやんす」

痺れを切らしたダートが言った。

「いいや。俺が 何か代わりに使えそうなものを 捜しに行くよ」

と、小柄で短気なダートを落ち着かせるようにデンが止めると、渋々工場を後にした。

ダートは心配そうに彼を見送るほかなかった。

 

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 ソドー整備工場でも、ケビンが同じ問題を抱えていた。

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P&TI Extra Episodesタイトル一覧

 PToS S10 ~ P&TI S13までの過去作リメイクのサブタイトル一覧です。全26話。

 

【Overcome & the Other Sodor Adventures】

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E01 魚嫌いを克服せよ (Overcome)

 未だに魚が嫌いで克服できていないことをダックにからかわれて不機嫌なトーマスは、アニーとクララベルには内緒で自ら魚嫌いの克服に挑む。

 

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E02 ジェームスの郵便配達 (James' Mail Train)

 ある朝、ジェームスは、多忙のパーシーの代わりに支線の郵便配達を任された。自分の大きさに見合わない小さな仕事が不満な彼は、一刻も早く終わらせようと郵便物が積まれるのを待たずに出発してしまう。

 

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E03 ディーゼルとフリンの近道 (Diesel & the Flynn's Shortcut)

 ディーゼルは石切り場へ向かう途中、緊急信号で足止めを食らって遅れを取る事に。その理由は軌陸車のフリンが途中で道路を使って近道をしたことだった。ディーゼルは腑に落ちず、ついフリンにきつく当たる。

 

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E04 きちんとした機関車 (Proper Engine)

 「きちんとした機関車はタンクに放水銃を付けない」と、ゴードンに嫌味を言われたベルは、ソドー整備工場でケビンに放水銃を外してほしいとお願いする。

 

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E05 うそつきデニス (All Talk & No Action)

 怠け癖を克服するために日々努力を重ねるデニスに、ある日、ブレンダムの港で貨車の入換え作業を任される。でも、港の貨車の多さにデニスは徐々に嫌になってしまう。

 

 

【Twins Trick & Trucks Trouble】

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E06 厄介な問題児 (Trick for Truck)

 古い採石場から来た意地悪な貨車に、丘で引っ張られたり押されたり振り回されたビルとベンは、仕返しに悪戯してやろうと意気込む。

 

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E07 ジェームスとフリンの競争 (The Fastest Fire Fighter)

 それは特殊消防車のフリンが来島して間もない頃の事。火事を消し止めた功績と、どさくさに紛れて真っ赤なボディを褒められたフリンに嫉妬したジェームスは、勝った方が島で一番赤いと認める事を条件に、彼との競争に挑む。

 

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E08 双子とゴミ (Twins Covered with Rubbish)

 双子のディーゼル機関車ハリーとバートが警笛を大きく鳴らして機関車たちを脅かす際中、的ではなかったサムソンが驚いてゴミの貨車に突っ込んでしまう。その二次被害でゴミまみれになった双子のビルとベンは洗車させてもらえずイライラする。

 

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E09 線路の落ち葉 (Leaves on the Tracks)

 木々から葉が舞い落ちる、ある秋の日のソドー島。点検を受けてもらっているスペンサーだったが、特別な仕事を引き受けたくて完了を待たずに出発する。

 

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E10 ジェームスと魔法の機関車 (James & the Magic Engine)

 客車を牽く仕事を与えてもらえず、ここ数日ずっと入換えと貨物列車ばかり任されるジェームスは、仕事の途中で魔法の機関車の噂を耳にする。信じようとは思わない彼だったが…?

 

 

【Christmas Mission & Other Winter Surprises

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E11 逃げ出した車輪 (Runaway Wheel)

 車軸の修理で宙ぶらりん状態のトーマス。彼の新しい車輪を持ってきたパクストンだったが、大きなくしゃみをした為に車輪が凍てついた線路の上を転がり始める。

 

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E12 雪かき (Billy and the Snowplough)

 ソドー島に大雪が積もり、寒さに強い蒸気機関車たちは雪かきの装備を余儀なくされる。かつては雪かきを嫌っていたトーマスも素直に雪かきを付けて働きに出るが、ビリーだけは違った。

 

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E13 パーシーの隠密行動 (In Secret Mission of Christmas)

 クリスマスがやってきた。蒸気機関車たちが機関庫に飾るオーナメントを運んだり、子供たちの笑顔を見たり幸せな時間を過ごす一方、何やらディーゼル機関車たちがソドー整備工場の前で怪しげな動きをしており…

 

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E14 オリバーへのプレゼント (Surprise for Oliver)

 クリスマスにも拘らず操車場で一生懸命貨車の入換えに励むオリバーの為に、ブレーキ車のトードは何かプレゼントをしたいと提案するが、良い案が思いつかない。

 

 

【Engines Responsible】

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E15 責任重大 (Heavy Responsibility)

 不注意にもゴードンを石炭ホッパーの下敷きにさせてしまったダグラス。ドナルドは自分の責任もあると判断して、ダグラスが後片付けを行う間、一台で急行列車を引っ張ろうとする。

 

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E16 炭水車を捕まえろ (Tender Trouble)

 ウルフステッド城から貨車を牽いて丘を下っていたスティーブンは、ポイントの故障によってドローバーが外れ、自分の炭水車と離れ離れになってしまう。貨車の重みで炭水車が暴走する。

 

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E17 いじっぱりなオリバー (Obstinately Oliver)

 ノーマンが待つ終点の駅まで、たくさんの砂利の貨車を運ぶことになったオリバー。そこへディーゼルも手伝いに来るが、彼への不信感から手伝いを断って一人で何台もの貨車を引っ張ろうとする。

 

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E18 トーマスと謎の鳴き声 (Thomas and the Spooky Sound)

 とばっちりで古い鉱山送りになってしまったパーシー。彼はそこで不気味な鳴き声を聞いて機関庫へ逃げ込む。トーマスはディーゼルの仕業だと疑ってかかるが…

 

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E19 小さな救世主 (Don't Look Down on Him)

 貨物列車をの牽引中に炭水車の車輪が壊れて立ち往生してしまったマードックの代わりに、ヘンリーが列車を引き継ぐことになった。ところが、重たい列車に振り回されて丘の途中で悲鳴を上げる事に。そこへ駆けつけたのは…?

 

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E20 素晴らしき鉄道 (The Great Railways)

 ソドー島に鉄道に関するドキュメンタリー撮影をしにカメラマンたちがやってきた。その案内役を任されたトーマスとジェームスは大はしゃぎ。その裏で、ディーゼルは自分の力強さを見てもらおうと、ある計画を企てる。

 

 

【Learn with Friends】

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E21 双子のバッシュとダッシュ (Seeds of Trouble)

 バッシュとダッシュには各々に特徴があるが、どっちがどっちなのか見分けがつかない仲間もいて不本意にイライラさせてしまった双子は、あるアイディアを閃いてソドー整備工場へ向かう。

 

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E22 チャーリーとトビー (Charlie's Adventure)

 ヘンリエッタが修理中で、寂しそうなトビーのもとにやってきたチャーリー。トビーの真面目な態度に、チャーリーはつまらないと鼻を鳴らすが、むっとしたトビーは彼を面白い冒険へ連れて行く。

 

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E23 帰ってきたバルストロード (Back at the Harbour)

 ある秋の日の事、港は大混乱になっていた。貨物船はなかなか来ないし、貨物列車は港からあふれ出る一方。その時、ダックは浜辺で、ある事を閃く。

 

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E24 キャロラインの大ピンチ (Caroline Saves the Day)

 トラックに衝突してしまったダックを大笑いするゴードンだったが、次の日、急行列車を牽く彼の目の前で踏切の上で立ち往生したキャロラインが現れ…

 

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E25 大掃除は大混乱 (Clean Sodor Day)

 ソドー島の大掃除の日、ウィフとスクラフはゴミの回収で忙しい。その間、ゴミの集積場で入換え作業を任された双子のディーゼル機関車スプラッターとドッヂ。彼らは汚れないよう何とかして貨車を運ぼうとするが…

 

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E26 ネルソンと迷子のバーティー (A Vehcle Discovers New Way)

 広場でお祭りが開催される事でネルソンが憂鬱になる中、トーマスとバーティーがお客を運ぶことになり、良きライバルの2台はどちらが先に着くか競争をし始めるが、予想以上の問題に見舞われる。

 

 

 

P&TI Ex-10 ジェームスとでんせつのきかんしゃ(リメイク)

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 「君たちは、伝説の消えた機関車を 知っているかい」

ある晩、ティッドマス機関庫で、ヘンリーがみんなに港で聞いた噂話をしていた。

「なんだい、それは」

ダックが目を薄く見開いて訊いた。

「ある筈の無い線路を走る、魔法の機関車さ。前にトーマスが迷った あの鉱山で、真夜中に 石炭の貨車を牽いて 姿を現しては、キラキラ輝きながら消えるんだって」

「馬鹿げた話だ。そんな非科学的な噂、僕は 信じないよ」

ダックがきっぱり言うと、ゴードンとエミリーも「ウンウン」と頷いた。ジェームスも例外ではない。

「果たして 本当に そうでしょうか」

と、次に口を開いたのはドナルドだった。彼は冗談交じりにこう言った。

「この島では、何かと 不思議な事が 起こります。たとえば、機関車を追いかける岩に、動く木、それから 鉱山を沈める いたずらノームに…」

「全部 偶然だろう。おふざけは それぐらいにして、もう 寝ろよ」

鬱陶しそうなゴードンの一声を最後に、みんな眠りにつき、誰もその続きを話さなくなった。

 

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 翌朝、ジェームスはとても不機嫌だった。

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P&TI Ex-09 せんろのおちば(リメイク)

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 ある朝、スティーブンは、お城のパーティーの為に料理に使う材料を集めに港へ向かっていた。ソドー島は木の葉が散る季節を迎えていて、ちょうどゆうべ、嵐があったばかりで、風に吹き飛ばされた葉っぱが濡れた線路に張り付いている。

 そんな日でも意気揚々と走るスティーブンだったが、ゴードンの丘に差し掛かった途端、彼はいつも以上に息を切らし始めた。どんなに頑張っても前に進めない。それどころか、貨車の重みでどんどん後ろに引っ張られていった。

「助けてくれ!」

彼は思わず叫んだ。機関士はブレーキをかけようとしたが、そのままマロン駅まで戻って行ってしまった。

 

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年寄りで経験豊富なスティーブンには、何故このような事になったのかわかっていた。だが、彼にはどうする事も出来ない。機関士たちが暫く座り込んでいると、ポーターがやってきて陽気に挨拶をした。

「こんにちは。ここで何してるの」

「港へ 行くところなんだが、落ち葉が 車輪に くっついて 走れなくなってね。貨車は空っぽなのに、情けないよ」

「それじゃあ、僕が押していくよ。僕には 自慢のドームが ある!」

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P&TI Ex-08 ふたごとゴミ(リメイク)

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 その日はよく晴れ渡り、花々が咲き乱れ、辺りは甘くて良い香りが漂っていた。サムソンは重要な荷物を届ける為に、本土のバロー駅で貨車を受け取った。

 「このワイヤーロープと 機材を、ソドー島のブルーマウンテンに 運んでくれ。巻き上げ機に 使うらしいんだが」

「ブルーマウンテンへの道なら、よく知っています。このサムソンに お任せあれ」

「ところで 君の相棒は、どこだい」

「彼は今日、非番であります。この程度の 仕事、僕 一人でも 完璧に こなせますよ」

 

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 サムソンがソドー島に向けて出発したその頃、島のあちこちでは、何か異様な空気を匂わせていた。 

アーサーがヴィカーズタウンの操車場で小魚の積まれた貨車を側線へ押していると、突然そばで大きな警笛が鳴り響いた。

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